バックグラウンドチェックで判明すること 過去事例をもとに徹底解説!

バックグラウンドチェックとは…
主に企業が新入社員採用の際に入社希望者に行う 信用調査 です。
採用面接や履歴書では把握・確認しきれないバックグラウンドをチェック(確認)するための調査を指します。
アメリカではすでに95%※もの企業で行われており、正社員だけではなくパートタイムなどの非正規社員も対象として行われています。
※NAPBS(世界的採用調査協会)が後援する2018年のHR.comのレポートより

バックグラウンドチェックの調査項目とは?

採用時の信用調査ということで具体的に何を調べており、何が報告されるのでしょうか。
今回はバックグラウンドチェックで調査している項目について、よく行われる項目をご紹介します。

・経歴相違
履歴書や面接時の情報に誤りや虚偽・経歴詐称の情報がないか、本人に卒業証明書や資格証明書、源泉徴収票を提出してもらい、確認します。
こちらは本人に提出いただいた資料だけではなく、前職の企業への聞き込みをもとに詐称の疑いがないか調査を行うこともあります。

・前職状況
前職での勤務態度や申告している実績について、前職の上司や同僚などに聞き込みを行い確認します。

・登記情報
法務局で一般公開されている登記簿で、不動産の所有状況、所有している場合は差し押さえの有無などを調べます。

・インターネット・SNS調査
インターネット・SNSで過去に大きなトラブルがないか調査します。
SNS調査ではプライベートで見せる性格上の問題や生活態度、交友関係のリスクが分かることもあります。

・近隣調査
本人の自宅周辺で居住の実態や普段の生活態度の確認、近隣住民に聞き込み調査を行います。

・犯罪・軽犯罪歴・民事訴訟歴
日本は犯罪歴を公開していないため、インターネットやSNS、新聞などのメディアの過去情報を調査します。
民事訴訟については一般公開されている最高裁判所の判決記録や、新聞などのメディアの情報、調査会社独自のデータベースをもとに調査します。

・破産履歴
官報に自己破産の情報が載っていないか調査します。

・反社チェック
反社会的勢力と関係を持っていないか、メディアや反社チェックサービスの独自データベースで調査します。

上記の他にも多岐に渡る調査項目があり、どこまで調査を実施するかは採用企業によって異なります。
バックグラウンドチェックを依頼する際も企業ごとに採用に必要な情報を選んで依頼することが大切です。

過去、実際に判明した事例とは?

・経歴相違の例
学歴や職歴の詐称が発覚した事例は数多くあります。

「財務経理部門の課長職候補者の申告の経歴と職務実績の詐称が発覚した事例」
申告内容:一流大学卒業後、金融系企業に18年間勤務、課長職として業務を行っていたが家庭事情により退職し転職を行った。
調査結果:約10年前に半年間程勤めていただけで、数ヶ月単位で転職を重ねていた。課長職が勤まるほどの実績も実力もなく、信用に値しない人物であった。

・勤怠状況の例
勤怠状況を細かくチェックすることは難しく、入社希望者の性格の全てを面接の短い時間で見抜くことはとても困難です。

「営業マンが就業時間中にパチンコに通っていたことが発覚した事例」
当社の営業マンは基本的に直行直帰のスタイルで、週1度のミーティングで営業報告を受けている。
ある関係会社から「最近、パチンコ店の駐車場におたくの営業車がよく停まっている。」と言われた。得意先に遊技場関係は無い。
社員から話を聞くと、2名パチンコが大好きな社員がいることがわかり、この2名について一日の行動パターンを調査してほしいと依頼があった。
調査結果:1人については特に異常は認められなかったが、1人は自宅を昼過ぎに出発し2件見込み客を訪問した後、パチンコ店で約3時間サボっていたことが判明した。

・職務能力の例
職務能力は採用時に確認を行うことが難しく、入社希望者の申告に虚偽があっても判断が難しいポイントです。

「面接の印象も良かった候補者の職務能力の申告内容に詐称が発覚した事例」
申告内容:前職は営業課長として7人の部下を指導しており、営業成績も年間MVPを何度もとるなどしていた。
調査結果:前職では課長職にはついておらず、年間MVPどころか、月間賞の受賞歴もない。上司や同僚への聞き込みでも「上辺だけの人間です…」といった否定的な意見があった。

「頼りない印象が調査により覆された事例」
住宅販売の営業職で採用予定の男性。少し頼りない印象を受けたが、人手不足の昨今、良い人材が集まらないため、悪い情報がなければ採用しようと思っているとのこと。
調査結果:前職の支店長に聞き込みを行ったところ「また帰ってきてほしい。一緒に働きたい。ひきとめられなかったことが悔しい。」と絶賛。住宅販売の歴は長く、物腰柔らかく、柔軟な対応ができる人物であるとのこと。住宅の知識に関して右に出るものは居ないと言われるほどの人材であることが発覚した。

・犯罪・軽犯罪歴・民事訴訟歴の例
採用面接だけではなく新規取引の信用調査も可能です。

「新規取引先の信用調査による危機回避の事例」
新規商取引に伴う、相手企業の信用状態を調べてほしいとのことで調査実施。
被調査会社はマンションの一室に所在。面接取材では創業10年、社員13名。年商12億、利益1200万円、取引銀行3行、仕入先、販売先数十社と詳細について応答。
調査結果:裏付調査の結果、そのような実績はまったくのデタラメで、取込を目的とした詐欺集団であることが判明した。